有機への取り組み

きっかけ

有機純米酒醸造は弊社の思いのみで結実する事業ではありません。特に原料となる貴重で希少な有機米を酒造原料として供給していただける農家さんが存在してこその事と思っています。

当社は以前から懇意にしていた金沢の有機農家の“金沢大地”さんよりお米の提供と醸造の依頼を受けたことがきっかけとなり、この事業をスタートすることができました。

有機米とは

1992年に農林水産省は3年以上無農薬、無化学肥料で経過した農地を圃場として、有機栽培(無農薬、無化学肥料栽培)されたお米であることをガイドラインとして提示しました。

その後、2000年にJAS(日本農林規格)法の改正に伴い、より厳格な運用となり、有機JASを満たす農産物・加工食品でなければ「有機」等を表示した商品の販売は出来なくなりました。(酒類は国税庁の「酒類における有機等の表示基準」も併用)

有機認証について

有機JASは農産物(原材料)の有機基準であり、酒類における有機の認証は、別途国内の有機認証団体の認証が必要となります。

弊社のAKIRAは、2001年にJONA(Japan Organic & Natural foods Association)の認証を受け、毎年審査・更新を続けています。

また、2007年にヨーロッパICEA認証(後年EU認証に変更)、2010年にアメリカUSDAの認証、2014年にカナダCOR認証を取得し、世界各地で有機認証されている日本酒です。

環境

有機米に農薬や化学肥料等の制限があるように、JONAから有機製造場の認証を受けるには、当蔵も有機のポリシーを順守することが条件となります。

とりわけ「環境の保全」という概念においては、原料米と同じく製造場内での化学物質の管理・使用について厳しく制限を受けるため、弊社の酒造りもこのスタンダードに合わせた環境に配慮した酒蔵を実現しています。

生産者について

“金沢大地”は金沢のみならず、日本を代表する有機農家です。

彼らは環境に負荷を与える農業から保全する産業を目指し、自然と人間の関わりが健やかであることを願い、祖先が拓いた豊かな大地と水・環境を百年後、千年後に繋げることを使命として弊社の地元の石川県で活動している農家さんです。

こだわり

2000年の有機JASの制定に伴い、全国で有機認証を取得して酒造りをする蔵は10蔵程度しか存在しません。

当時、日本中に1500社以上の蔵元が存在していたことを考えると、極めて特異な取り組みであったと思います。

しかしながら、弊社はこの取り組みは、日本の食の安心・安全のためには必要不可欠な事業と考えています。

有機への取り組みの意味

弊社は酒造りとは農業発展型の原始的な産業であり、最も環境に負荷を与えない仕事であり、今後もそうあるべきと考えます。

その基本概念に立ち返れば、この有機の取り組みを農家の方と推し進める事は酒造りの原点に返ることにもなると同時に、未来に、世界に向けての弊社の環境への発信になるものと信じています。

AKIRAに込めた思い

AKIRAの名前の由来は金沢大地の代表、井村滉(いむらあきら)氏に敬意を表し、名づけさせていただいたものです。

その名に込めた思いも同じで、日本酒と農業のコラボレーションを今一度考え、日本の農業と食の安全、安心を発信するお酒です。

また「あきら」という日本を代表する名前を英字表記にして商品にする事で、世界に通用する日本酒として展開したいという思いも併せました。